11月の寒い夜。
薄暗い部屋の中でぬくもりを確かめ合う男女がいる。
バレリー「んっ・・・・。」
激しく舌を絡み合わせる。
静かな部屋に水音が響く。
バレリー「あ・・・・んっ。」
バレリー「ああっ・・・・。」
深く腰を抱き寄せられ女が背中をよじらせる。
唇が首筋に吸い付く。
バレリー「ダメよ・・・痕なんてつけちゃ・・・。」
ローガン「このくらいなら平気だろ。」
バレリー「あ・・・ああっ!」
突然激しく腰を突かれ、女は大きくよがり声をあげた。
ローガン「痩せたな。」
バレリー「年のせいよ。筋肉も脂肪も落ちちゃったわ。顔にボトックスは入れられても、体は正直なのよね・・・。」
ローガン「5年ぶりだもんな・・・。俺も老けたよ。」
バレリー「あら、やめてよ。あなたが老けたなんて言ったら私は老婆じゃない。」
ローガン「いくつになった?」
バレリー「もうとっくに死んだ夫の年は超えちゃったわ。」
ローガン「46だっけ・・・。相変わらず君は美しいよ。」
バレリー「ああんっ・・・たまらない。あなたみたいな若い男とヤルのは何年振りかしら。」
ローガン「俺も30超えたしもう若いとは言えないけどな。」
体を起こしバレリーを後ろから抱きしめる。
バレリー「あなた昔からこの体位が一番好きよね。」
ローガン「胸も触りやすいし、なによりケツの感触が気持ちいいんだよ。」
バレリー「本当は支配欲が満たされるんでしょう?」
ローガン「それもあるかもな。」
バレリー「んっ・・・。」
再び唇を塞がれ、口の中をかき回すように舌が入ってくる。
後ろから乳房を揉みしだかれ、バレリーがその手に指を重ねる。
バレリー「あんっ・・・。」
バレリー「ああっ!」
激しく腰を突きはじめると、バレリーが悲鳴にも似た声をあげる。
ローガンの口からも息が漏れる。
ふいに体を起こしてバレリーからキスをする。
ローガン「んっ・・・。」
再びバレリーの腰を掴んで引き寄せる。
徐々に腰を振る速度も激しくなる。
バレリー「ああっ・・・もっと・・・・。」
ローガン「ハァ・・・・ハァ・・・・。」
バレリー「もっと・・・奥まで突いて。」
ローガンが腰を掴む手に力が入る。
バレリー「ああっ!もう・・・イっちゃ・・・あんんっ!」
ローガン「うっ!」
30分後。
シャワーを浴びたローガンがリビングへとやってくる。
バレリー「あなたもビール飲むわよね?」
ローガン「ああ。」
ソファーへと腰を下ろすと、バレリーが用意した缶ビールを手に取る。
ローガン「いいホテルだな。」
バレリー「カジノ目当ての客が多いみたいよ。」
ローガン「そういえばここは近いもんな。」
バレリー「まさか連絡くれるとは思ってもみなかった。」
ローガン「急に懐かしくなってね。俺も、まさか来てくれるとは思ってもみなかったよ。」
バレリー「ふふっw 言ったでしょう?あなたみたいな若い男とヤルのは久しぶりだって。それに私も一度来てみたかったのよね、ラッキーパームス。」
ローガン「ギャンブルやるとは知らなかったよ。」
バレリー「リゾートに来たときだけ特別よ。」
ローガン「来てくれてよかったよ。」
バレリー「・・・元気なさそうね?」
ローガン「そうか?」
バレリー「ええ。最中も激しかったし・・・いつものあなたとは違う感じがしたわ。まぁ・・・といっても5年ぶりだけどね。」
バレリー「なにかあった?」
ローガン「君に話すようなことはなにも・・・。」
バレリー「あら?普段の知り合いには話せないことでも、私になら話せるんじゃない?年長者だし、あなたよりは人生経験も豊富よ?」
ローガン「そうだな・・・。」
バレリー「なにか気になることがあったの?」
ローガン「・・・なんか、虚無感みたいなものを感じてる・・・のかもしれない。」
バレリー「原因になりそうなことは?たとえば仕事で失敗したとか。」
ローガン「いや、仕事はうまくいってる。忙しすぎるくらいだ。」
バレリー「じゃあ・・・女とか?」
ローガン「女か・・・。そういえば親友が結婚してた・・・っていうのを最近知った。」
バレリー「ずっと昔からの親友?連絡はとってなかったの?」
ローガン「ああ。引っ越してからは連絡はとってなかった。」
バレリー「親友って言ってるけど・・・肉体関係はあったんじゃない?」
ローガン「一度だけな。・・・なんでわかる?」
バレリー「女の感よ。どのくらいのつきあいだったの?彼女とは。」
ローガン「高校のときからか。大学も一緒だったし、ルームシェアもしてたな。」
バレリー「でも寝たのは一度だけ・・・ね。」
ローガン「ああ。」
バレリー「結婚相手は?知ってる人?」
ローガン「高校の先輩だ。今はデザイナーやってて結構人気らしい。」
バレリー「聞いたの?」
ローガン「いや。検索したら記事が出てきた。」
バレリー「あなたそれはアレよ。」
ローガン「なんだ?」
バレリー「元カノを忘れられないのよ。」
ローガン「はぁ?だからつきあってなんかないって・・・。」
バレリー「一緒よ。自分の所有物と思っていたものを失った喪失感や虚無感と。」
ローガン「いや・・・それはないだろ。」
バレリー「じゃあどうして連絡をとらなくなったの?」
ローガン「それは・・・寝たことに対する後悔と・・・あいつが俺に依存してたから、離れただけだ。」
バレリー「引っ越した理由もそれね?」
ローガン「まぁ・・・独立するタイミングでもあったしな。」
バレリー「男女に置き換えてみたら同じじゃない。依存してきた彼女から逃げた。そしたら数年後に彼女は結婚してた。しかも相手は人気デザイナーで、富も名誉も手にしている。」
ローガン「・・・・。」
バレリー「男はフォルダ分け、女は上書き保存って、よく言うでしょう?」
ローガン「俺はフォルダ分けなんてしてないぞ。」
バレリー「親友って、あまり異性には使わない言葉よローガン。あなたにとって、大事な女性だったのよね。だから彼女のフォルダしかない。」
ローガン「・・・・。」
バレリー「私歯科医になったけど、学生の頃心理学も学んでたのよ。」
バレリー「忘れられないなら忘れなくていいじゃない。女なら他にいくらでもいるわよ。あなたはラッキーパームスでも人気の弁護士先生なんだもの。」
ローガン「まぁ、おかげさまで仕事は忙しいくらい舞い込んでくるけど・・・。」
バレリー「元気出しなさいよ。今夜は私が慰めてあげるから。」
ローガン「慰めるって・・・。別に俺は悲しんでなんかないぞ。」
バレリー「いいからいいからっ!もう一回戦しましょう!」
ローガン「いや、俺も疲れてるし今日は・・・。」
バレリー「なに言ってるの。あなた昔は一晩で何回私をイカせたと思ってるの?」
バレリーがバスローブを脱ぎ捨て、ローガンの足の間に跪く。
バレリー「元気ないなら私が体で元気にしてあげるわ。」
ローガン「バレリー・・・。」
胸の間に肉棒を挟むとゆっくりと上下させる。
次第にローガンのものが固く膨張していく。
バレリー「どう?気持ちいい?」
ローガン「・・・ああ。いい眺めだ。」
バレリー「いい表情。もっとその顔を見せて。」
ローガンの顔に苦し気な表情が浮かぶ。
ローガン「・・・入れたい。」
バレリー「まだダメよ。」
バレリーが徐々に激しく胸を揺らしていく。
ローガン「珍しく焦らすんだな。」
バレリー「私だって嫉妬くらいするわよ。あなたにそんな風に思われるなんて、その彼女が羨ましいわ。」
ローガン「ただの古い親友だろ・・・。」
バレリー「(認めたくないのね。ホントかわいい人。)」
ローガン「そろそろベッド行かないか?」
バレリー「そうね。私も入れてほしくなっちゃった。」
スターライトショア。
11月のショアは空気が澄み、気持ちのいい風が吹いていた。
ララ「もしもし、ラト?」
ラトーシャ『おはようララ。』
ララ「珍しいわね、午前中に電話くれるなんて。」
ラトーシャ『暇してるんだ。』
ララ「妊婦だものね。あまり自由には動けないわよね。」
ラトーシャ『うん。もう体が重くって。』
ララ「わかるわ~。どんどん重くなっていって、腰も痛いし嫌になるわよね~。」
ラトーシャ『そう。』
ララ「どうしたの?なにかあった?」
ラトーシャ「あのさ・・・ララ、だいぶ前にジーンさんと連絡とってるって言ってたよね?」
ララ「ええ、時々メールしたりしてるわよ。たまにショアにも来るから、その時は連絡くれるの。アンドレアもすごく懐いてるわ。」
ラトーシャ「ジーンさんとはどうなの?」
ララ「どうって?」
ラトーシャ『いや・・・恋人候補なのかなぁ~・・・って。』
ララ「そういうんじゃないわよ。それにジーンさんは未だにアイビーの行方を捜しているし・・・。」
ラトーシャ「そっか・・・。やっぱりそうだよね・・・。」
ララ「なぁに?急に。ジーンさんがどうかしたの?」
ラトーシャ『いや・・・ジーンさんっていうわけじゃなくてね・・・。』
ララ「 ? 」
ラトーシャ「ララ、最近ローガンに会わなかった?」
ララ「・・・・会ったわ。ローガンからなにか聞いたのね?」
ラトーシャ『うん。ディーンがね。』
ララ「そう・・・。ローガン、なんて言ってた?」
ラトーシャ「ララがジーンさんと結婚して、アンちゃんは二人の子供だって思ってるみたい。」
ララ『そう・・・。』
ラトーシャ「ララ、それでいいの?」
ララ「ええ・・・。」
ラトーシャ『・・・・。』
ララ「そのほうがお互いラクでしょ。」
ララ『他には・・・?なにか言ってた?』
ラトーシャ「あんまり似てないって。」
ララ「・・・気付いたかしら?」
ラトーシャ「・・・気付いてないと思うな。」
ララ『そう・・・。ならよかった。』
ラトーシャ「でもアンちゃんローガンにそっくりだもんね。もっと成長したら気付くかもしれないよ。」
ララ「・・・・もう会うこともないわよ。」
ラトーシャ『そうかもね。』
ララ「ローガン、カジノのある街にいるのね・・・?ラトは知っているのよね?」
ラトーシャ「うん・・・。」
ララ「ローガン、元気そうで安心したわ。泣くのを堪えてたけど・・・彼が見えなくなったら、私すぐに泣いちゃった。」
ラトーシャ『そっか。』
ララ「ダメね私・・・母親なのに、娘の前で泣くなんて。」
ラトーシャ「母親である前に、一人の女だからね。」
ララ『・・・そうね。』
ラトーシャ「逆にジーンさんが居てくれてよかったんじゃない?」
ララ「ええ、私もそう思った。巻き込んじゃったのは申し訳ないと思ったけど・・・なんだか心強かったもの。」
ラトーシャ『よかったね。』
ララ「うん。いい友人よ。」
ラトーシャ「ララ、そろそろ恋愛しないの?」
ララ「私今夜デートの予定なのよ。」
ラトーシャ『え??誰と?』
ララ「ふふっw 驚いた?」
ラトーシャ『だって今までそんな話・・・。』
ララ「近所に引っ越してきた男性なの。バツイチですって。」
ラトーシャ「年はいくつ?」
ララ『まだ聞いてないけど、たぶん同世代かちょっと上くらいかしら。』
ラトーシャ「へぇ~、いい人だといいね。」
ララ「ホントにね。・・・私もそろそろ次の人をみつけなきゃダメよね。」
ラトーシャ『そうだよ。まだ若いんだから!』
ララ「ふふっw そうよね。まだまだこれからよね。」
ラトーシャ「あ、ごめん。洗濯回してたの忘れてた。そろそろ切るね?」
ララ『ええ。わかったわ。』
ラトーシャ「また電話するね。」
ララ「ありがとうラト。あなたと話せて少し気持ちがラクになったわ。」
ラトーシャ『いつでも電話して。妊婦は暇だからねw』
ララ「ええ。またデートの報告するわね。」
ラトーシャ『うん。楽しみにしてる。』
ララがスマートフォンの通話をオフにする。
ララ「・・・・。」
スマートフォンの画面を見つめるラトーシャ。
重い腰を上げてゆっくりと立ち上がる。
ラトーシャ「(ララ、強くなったなぁ・・・。ララには幸せになってほしい。心から思うよ。)」
0 件のコメント:
コメントを投稿