2019年10月13日日曜日

昔の女





11月の寒い夜。
薄暗い部屋の中でぬくもりを確かめ合う男女がいる。








バレリー「んっ・・・・。」


激しく舌を絡み合わせる。
静かな部屋に水音が響く。









バレリー「あ・・・・んっ。」










バレリー「ああっ・・・・。」

深く腰を抱き寄せられ女が背中をよじらせる。











唇が首筋に吸い付く。


バレリー「ダメよ・・・痕なんてつけちゃ・・・。」

ローガン「このくらいなら平気だろ。」









バレリー「あ・・・ああっ!」


突然激しく腰を突かれ、女は大きくよがり声をあげた。

























ローガン「痩せたな。」

バレリー「年のせいよ。筋肉も脂肪も落ちちゃったわ。顔にボトックスは入れられても、体は正直なのよね・・・。」









ローガン「5年ぶりだもんな・・・。俺も老けたよ。」










バレリー「あら、やめてよ。あなたが老けたなんて言ったら私は老婆じゃない。」

ローガン「いくつになった?」

バレリー「もうとっくに死んだ夫の年は超えちゃったわ。」









ローガン「46だっけ・・・。相変わらず君は美しいよ。」












バレリー「ああんっ・・・たまらない。あなたみたいな若い男とヤルのは何年振りかしら。」

ローガン「俺も30超えたしもう若いとは言えないけどな。」











体を起こしバレリーを後ろから抱きしめる。


バレリー「あなた昔からこの体位が一番好きよね。」









ローガン「胸も触りやすいし、なによりケツの感触が気持ちいいんだよ。」

バレリー「本当は支配欲が満たされるんでしょう?」

ローガン「それもあるかもな。」







バレリー「んっ・・・。」


再び唇を塞がれ、口の中をかき回すように舌が入ってくる。

後ろから乳房を揉みしだかれ、バレリーがその手に指を重ねる。

バレリー「あんっ・・・。」









バレリー「ああっ!」


激しく腰を突きはじめると、バレリーが悲鳴にも似た声をあげる。

ローガンの口からも息が漏れる。










ふいに体を起こしてバレリーからキスをする。


ローガン「んっ・・・。」












再びバレリーの腰を掴んで引き寄せる。

徐々に腰を振る速度も激しくなる。


バレリー「ああっ・・・もっと・・・・。」

ローガン「ハァ・・・・ハァ・・・・。」

バレリー「もっと・・・奥まで突いて。」


ローガンが腰を掴む手に力が入る。

















バレリー「ああっ!もう・・・イっちゃ・・・あんんっ!」


ローガン「うっ!」










30分後。
シャワーを浴びたローガンがリビングへとやってくる。












バレリー「あなたもビール飲むわよね?」

ローガン「ああ。」













ソファーへと腰を下ろすと、バレリーが用意した缶ビールを手に取る。










ローガン「いいホテルだな。」

バレリー「カジノ目当ての客が多いみたいよ。」

ローガン「そういえばここは近いもんな。」

バレリー「まさか連絡くれるとは思ってもみなかった。」









ローガン「急に懐かしくなってね。俺も、まさか来てくれるとは思ってもみなかったよ。」












バレリー「ふふっw 言ったでしょう?あなたみたいな若い男とヤルのは久しぶりだって。それに私も一度来てみたかったのよね、ラッキーパームス。」

ローガン「ギャンブルやるとは知らなかったよ。」

バレリー「リゾートに来たときだけ特別よ。」








ローガン「来てくれてよかったよ。」











バレリー「・・・元気なさそうね?」

ローガン「そうか?」

バレリー「ええ。最中も激しかったし・・・いつものあなたとは違う感じがしたわ。まぁ・・・といっても5年ぶりだけどね。」











バレリー「なにかあった?」

ローガン「君に話すようなことはなにも・・・。」

バレリー「あら?普段の知り合いには話せないことでも、私になら話せるんじゃない?年長者だし、あなたよりは人生経験も豊富よ?」










ローガン「そうだな・・・。」

バレリー「なにか気になることがあったの?」

ローガン「・・・なんか、虚無感みたいなものを感じてる・・・のかもしれない。」









バレリー「原因になりそうなことは?たとえば仕事で失敗したとか。」

ローガン「いや、仕事はうまくいってる。忙しすぎるくらいだ。」

バレリー「じゃあ・・・女とか?」








ローガン「女か・・・。そういえば親友が結婚してた・・・っていうのを最近知った。」

バレリー「ずっと昔からの親友?連絡はとってなかったの?」

ローガン「ああ。引っ越してからは連絡はとってなかった。」








バレリー「親友って言ってるけど・・・肉体関係はあったんじゃない?」











ローガン「一度だけな。・・・なんでわかる?」

バレリー「女の感よ。どのくらいのつきあいだったの?彼女とは。」

ローガン「高校のときからか。大学も一緒だったし、ルームシェアもしてたな。」









バレリー「でも寝たのは一度だけ・・・ね。」

ローガン「ああ。」

バレリー「結婚相手は?知ってる人?」

ローガン「高校の先輩だ。今はデザイナーやってて結構人気らしい。」

バレリー「聞いたの?」

ローガン「いや。検索したら記事が出てきた。」








バレリー「あなたそれはアレよ。」

ローガン「なんだ?」

バレリー「元カノを忘れられないのよ。」









ローガン「はぁ?だからつきあってなんかないって・・・。」

バレリー「一緒よ。自分の所有物と思っていたものを失った喪失感や虚無感と。」

ローガン「いや・・・それはないだろ。」

バレリー「じゃあどうして連絡をとらなくなったの?」








ローガン「それは・・・寝たことに対する後悔と・・・あいつが俺に依存してたから、離れただけだ。」

バレリー「引っ越した理由もそれね?」

ローガン「まぁ・・・独立するタイミングでもあったしな。」








バレリー「男女に置き換えてみたら同じじゃない。依存してきた彼女から逃げた。そしたら数年後に彼女は結婚してた。しかも相手は人気デザイナーで、富も名誉も手にしている。」

ローガン「・・・・。」

バレリー「男はフォルダ分け、女は上書き保存って、よく言うでしょう?」









ローガン「俺はフォルダ分けなんてしてないぞ。」











バレリー「親友って、あまり異性には使わない言葉よローガン。あなたにとって、大事な女性だったのよね。だから彼女のフォルダしかない。」

ローガン「・・・・。」

バレリー「私歯科医になったけど、学生の頃心理学も学んでたのよ。」







バレリー「忘れられないなら忘れなくていいじゃない。女なら他にいくらでもいるわよ。あなたはラッキーパームスでも人気の弁護士先生なんだもの。」

ローガン「まぁ、おかげさまで仕事は忙しいくらい舞い込んでくるけど・・・。」

バレリー「元気出しなさいよ。今夜は私が慰めてあげるから。」









ローガン「慰めるって・・・。別に俺は悲しんでなんかないぞ。」

バレリー「いいからいいからっ!もう一回戦しましょう!」

ローガン「いや、俺も疲れてるし今日は・・・。」

バレリー「なに言ってるの。あなた昔は一晩で何回私をイカせたと思ってるの?」


バレリーがバスローブを脱ぎ捨て、ローガンの足の間に跪く。







バレリー「元気ないなら私が体で元気にしてあげるわ。」

ローガン「バレリー・・・。」


胸の間に肉棒を挟むとゆっくりと上下させる。

次第にローガンのものが固く膨張していく。








バレリー「どう?気持ちいい?」

ローガン「・・・ああ。いい眺めだ。」











バレリー「いい表情。もっとその顔を見せて。」


ローガンの顔に苦し気な表情が浮かぶ。










ローガン「・・・入れたい。」

バレリー「まだダメよ。」


バレリーが徐々に激しく胸を揺らしていく。








ローガン「珍しく焦らすんだな。」

バレリー「私だって嫉妬くらいするわよ。あなたにそんな風に思われるなんて、その彼女が羨ましいわ。」











ローガン「ただの古い親友だろ・・・。」

バレリー「(認めたくないのね。ホントかわいい人。)」












ローガン「そろそろベッド行かないか?」

バレリー「そうね。私も入れてほしくなっちゃった。」











スターライトショア。
11月のショアは空気が澄み、気持ちのいい風が吹いていた。










ララ「もしもし、ラト?」











ラトーシャ『おはようララ。』

ララ「珍しいわね、午前中に電話くれるなんて。」

ラトーシャ『暇してるんだ。』










ララ「妊婦だものね。あまり自由には動けないわよね。」

ラトーシャ『うん。もう体が重くって。』

ララ「わかるわ~。どんどん重くなっていって、腰も痛いし嫌になるわよね~。」

ラトーシャ『そう。』

ララ「どうしたの?なにかあった?」








ラトーシャ「あのさ・・・ララ、だいぶ前にジーンさんと連絡とってるって言ってたよね?」










ララ「ええ、時々メールしたりしてるわよ。たまにショアにも来るから、その時は連絡くれるの。アンドレアもすごく懐いてるわ。」










ラトーシャ「ジーンさんとはどうなの?」










ララ「どうって?」

ラトーシャ『いや・・・恋人候補なのかなぁ~・・・って。』

ララ「そういうんじゃないわよ。それにジーンさんは未だにアイビーの行方を捜しているし・・・。」











ラトーシャ「そっか・・・。やっぱりそうだよね・・・。」












ララ「なぁに?急に。ジーンさんがどうかしたの?」

ラトーシャ『いや・・・ジーンさんっていうわけじゃなくてね・・・。』

ララ「 ? 」










ラトーシャ「ララ、最近ローガンに会わなかった?」













ララ「・・・・会ったわ。ローガンからなにか聞いたのね?」

ラトーシャ『うん。ディーンがね。』

ララ「そう・・・。ローガン、なんて言ってた?」










ラトーシャ「ララがジーンさんと結婚して、アンちゃんは二人の子供だって思ってるみたい。」

ララ『そう・・・。』

ラトーシャ「ララ、それでいいの?」











ララ「ええ・・・。」

ラトーシャ『・・・・。』

ララ「そのほうがお互いラクでしょ。」











ララ『他には・・・?なにか言ってた?』

ラトーシャ「あんまり似てないって。」










ララ「・・・気付いたかしら?」











ラトーシャ「・・・気付いてないと思うな。」

ララ『そう・・・。ならよかった。』

ラトーシャ「でもアンちゃんローガンにそっくりだもんね。もっと成長したら気付くかもしれないよ。」










ララ「・・・・もう会うこともないわよ。」

ラトーシャ『そうかもね。』

ララ「ローガン、カジノのある街にいるのね・・・?ラトは知っているのよね?」










ラトーシャ「うん・・・。」













ララ「ローガン、元気そうで安心したわ。泣くのを堪えてたけど・・・彼が見えなくなったら、私すぐに泣いちゃった。」

ラトーシャ『そっか。』

ララ「ダメね私・・・母親なのに、娘の前で泣くなんて。」









ラトーシャ「母親である前に、一人の女だからね。」

ララ『・・・そうね。』

ラトーシャ「逆にジーンさんが居てくれてよかったんじゃない?」









ララ「ええ、私もそう思った。巻き込んじゃったのは申し訳ないと思ったけど・・・なんだか心強かったもの。」

ラトーシャ『よかったね。』

ララ「うん。いい友人よ。」









ラトーシャ「ララ、そろそろ恋愛しないの?」











ララ「私今夜デートの予定なのよ。」

ラトーシャ『え??誰と?』

ララ「ふふっw 驚いた?」

ラトーシャ『だって今までそんな話・・・。』

ララ「近所に引っ越してきた男性なの。バツイチですって。」







ラトーシャ「年はいくつ?」

ララ『まだ聞いてないけど、たぶん同世代かちょっと上くらいかしら。』

ラトーシャ「へぇ~、いい人だといいね。」









ララ「ホントにね。・・・私もそろそろ次の人をみつけなきゃダメよね。」

ラトーシャ『そうだよ。まだ若いんだから!』

ララ「ふふっw そうよね。まだまだこれからよね。」








ラトーシャ「あ、ごめん。洗濯回してたの忘れてた。そろそろ切るね?」

ララ『ええ。わかったわ。』

ラトーシャ「また電話するね。」








ララ「ありがとうラト。あなたと話せて少し気持ちがラクになったわ。」

ラトーシャ『いつでも電話して。妊婦は暇だからねw』

ララ「ええ。またデートの報告するわね。」

ラトーシャ『うん。楽しみにしてる。』








ララがスマートフォンの通話をオフにする。























ララ「・・・・。」











スマートフォンの画面を見つめるラトーシャ。











重い腰を上げてゆっくりと立ち上がる。
























ラトーシャ「(ララ、強くなったなぁ・・・。ララには幸せになってほしい。心から思うよ。)」

















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