シェアハウスの前に一台の車が止まる。
停電はいまだ復旧しておらず、辺りは真っ暗だ。
車のライトだけが道を照らしている。
車を降りると雨の中駆け出す。
アランから預かった鍵で家の中に入る。
静かな室内。
外の雨音だけがうるさいくらいに響いている。
レオン「リア!いるのか!」
車に積んであったライトで部屋を照らす。
レオン「リア!」
返事はない。
キッチンの横のドアが目に入る。
レオン「(あいつの部屋どこだよ・・・。とりあえず1階から探してみるか・・・。) 」
レオン「リア?」
ドアを開けて中に入る。
薄暗い部屋をライトで照らす。
気配に気づいて部屋の隅を照らすと、リアがうずくまっているのが目に入る。
レオン「リア!」
レオン「おい、リア!大丈夫か?」
ライトを床に置き、うずくまるリアに声をかける。
リア「・・・っ・・・・うぅ・・・・・・・。」
指先が真っ白になるほど、力を入れて耳を塞いでいる。
リアが大きく肩を揺らして震えていた。
レオン「リア。おいリア!」
レオンが肩に触れるとびくっと大きく肩を揺らした。
レオン「うわっ!」
突然リアが抱きついてきて、思わず後ろに倒れる。
レオン「お・・・おい・・・・。」
リア「うぅ・・・・。」
リアが泣きじゃくる。
レオン「大丈夫だよ。」
リア「こわ・・・・か・・・った・・・・・うぇ・・・・・ひっく。」
レオン「もう大丈夫だ。安心していいから。」
リア「ひっく・・・・ふ・・・・・っ。」
レオン「大丈夫だから・・・もう泣かなくていい。」
リア「アラ・・・・ン・・・・ひっく・・・帰って・・・・きてくれ・・・・の・・・・?」
レオン「アランじゃねぇけど・・・。」
リア「へ・・・?」
驚いてリアが顔をあげる。
レオン「あいつのほうがよかったか?」
リア「なん・・・で・・・・ふ・・・・。」
リアがしゃくりあげながら問いかける。
レオン「ダンスクラブにいたらちょうど停電になったんだ。・・・イケメンに様子見て来いって、鍵渡されてさ。」
リア「・・・・?」
レオン「・・・・やっぱり泣いてたんだな。」
レオンがリアの頬に触れる。
リア「・・・・ひっく・・・・。」
レオン「・・・ごめん。今のは嘘だ。」
リア「・・・・?」
レオン「お前が心配で・・・・気がついたら走ってた。」
リア「え・・・・?」
レオン「暗闇で一人でいるのが怖いって、前に泣いてただろ?」
リア「・・・・。」
レオン「もう大丈夫だから。ずっとここにいてやるから。」
リア「なんで・・・来たのよ・・・。」
レオン「え・・・?」
リア「私・・・のこと・・・・突き放し・・・たくせに・・・・。」
レオン「・・・・。」
リア「なんで・・・また・・・やさしくするのよ・・・。」
レオン「リア・・・。」
リア「・・・帰ってよ。」
レオン「・・・・。」
リアがレオンの胸を押して体を離す。
リア「あんたなんか・・・一生・・・・独りでいれば・・・。」
リア「・・・っ!」
リアの肩を抱き寄せ強引にキスをする。
リア「・・・っふ・・・・・ん。」
レオン「・・・・。」
離れようとするリアの体を強く抱きしめる。
開いた唇からレオンの舌が入ってきて、リアの舌を追うように絡めてくる。
リアの体から徐々に力が抜けていく。
リア「・・・・ん・・・・。」
むさぼるようなキスをする。
リアがレオンの背中にしがみつく。
静かな部屋の中、二人は夢中でお互いの唇を求めた。
リア「ひっく・・・・。」
レオン「もう泣くなって・・・。」
リア「・・・うぅ・・・・。」
レオン「・・・俺が悪かったよ。」
リア「ひどいよ・・・・。一度・・・・振ったくせに・・・・。」
レオン「・・・・。」
リア「なんで・・・今になって・・・・。」
レオン「俺泣かれるの弱いんだって・・・・。」
リア「うぅ・・・・。」
レオン「だからやだったんだよ・・・・お前を好きになるの・・・・。」
リア「・・・好き・・・?」
レオン「ちょっと落ち着け。とりあえず横になろう。」
リア「・・・・。」
レオンがリアの手を引いてベッドへ連れて行く。
ベッドの上で横になり、リアの体を抱きしめたままやさしく背中を擦る。
しばらくするとリアのしゃっくりも止まった。
レオン「・・・ようやく泣き止んだな。」
リア「・・・・。」
レオン「落ち着いたか?」
リア「・・・・うん。」
レオン「前に高校のときの彼女が最後だって言ったの、覚えてるか?」
リア「・・・うん。」
レオン「高1の時そいつとつきあって、めちゃくちゃ好きだったんだ。」
リア「・・・・。」
レオン「でも浮気されたんだよ、彼女に。」
リア「浮気・・・?なんで・・・。」
レオン「寂しかったんだと。」
リア「・・・・。」
レオン「友達に他の男と一緒のところ見たって聞いて、問い詰めたんだ。」
レオン「そしたら言われた。あなたは部活で忙しくてほとんどかまってくれないじゃない。寂しい思いをさせた、あなたが悪いって。」
リア「・・・・。」
レオン「俺はその頃サッカー部で、1年ですぐレギュラーになれたから、必死だったんだ。」
リア「・・・・。」
レオン「彼女のこと、卒業したら結婚しようって思ってたほど好きだった。だから裏切られたことがショックでさ。女は裏切る生き物なんだって思った。」
リア「・・・・。」
レオン「それからは部活一筋だったおかげで2年で部長になれたし、女にもモテたから不自由はしなかった。本気にならないほうが、傷つかないですむしラクだって、ずっと思ってたしそうしてきた。」
リア「寂しく・・・なかったの・・・?」
レオン「何度も寝ると情が移るだろ?だから俺は一度寝たやつとは寝ない。そうすれば寂しくもなかった。」
リア「・・・・。」
レオン「刑事になって、男と女のドロドロした部分もいっぱい見てきた。女のほうが強い分ずるい生き物だってわかって、よけいに近づくのが怖くなってたのかもな。」
レオン「でも、なんでだろうな・・・。お前のことは、会社で再会してから・・・いつのまにか気になってしょうがなかった。」
リア「・・・・。」
レオン「本気にならないように我慢してたのに・・・ダメだな俺。」
リア「ダメじゃない。我慢するなんて・・・辛いよ。」
レオン「うん・・・。」
リアがレオンの胸に顔をうずめて抱きつく。
リア「好きって言ってくれて、嬉しかった。」
レオン「・・・・俺、こう見えて嫉妬すごいぞ?」
リア「いい。そのほうが、愛されてるって実感できるから。」
レオン「・・・・。」
リア「レオンさん。」
レオン「ん?」
リア「私の・・・恋人になってくれる?」
レオン「・・・・うん。」
リア「・・・あのね。」
レオン「うん。」
リア「・・・キスしてほしい。」
レオン「あのなぁ・・・。」
レオンが体を起こす。
リア「 ? 」
レオン「俺これ以上抑えられる自信ないぞ?」
リア「なにを?」
レオン「一応、お前だけの家じゃないんだし、今日は我慢しようと思って・・・。」
リア「我慢なんてしなくていいよ。」
レオン「・・・・。」
リア「私がしたいの。レオンさんに、抱いてほしい。」
レオン「・・・・俺、前みたいにもうやさしくできないぞ?」
リア「いい。今度は私が、レオンさんを癒してあげる。」
リア「ん・・・・。」
二人の唇が重なる。
激しくお互いの唇を求め合う。
リア「んぁ・・・・レオンさん・・・好き・・・・。」
レオン「ん・・・。」
二人の吐息が徐々に激しくなる。
荒々しく服を脱がせる。
リア「・・・ん・・・・はぁ・・・・。」
リア「あ・・・・レオン・・・・さ・・・・。」
レオン「はぁ・・・・。」
熱い舌が追うように絡まる。
リア「ん・・・・はぁ・・・・。」
レオン「・・・は・・・・。」
床ずれの音が室内に響く。
レオン「挿れるぞ。」
リア「うん・・・・。」
レオンがコンドームを装着してリアの陰部に肉棒をあてがう。
ゆっくりと腰を沈めていく。
リア「ああっ!」
レオン「はぁ・・・・っ。」
十分に濡れたそこは容易にレオンを受け入れた。
奥まで挿入するとぎゅっと締め付けてくる。
レオン「はぁっ・・・・。」
リア「気持ち・・・いい・・・?」
レオン「ああ・・・・。」
リア「私も・・・・あっ・・・・気持ち・・・い・・・・。」
レオンがゆっくりと腰を動かす。
一番奥まで着くとまたゆっくりと戻り、繰り返す。
リア「レオン・・・さん・・・もっと・・・・激しくしても・・・いいよ。」
レオン「お前・・・・体小さいから壊れそ・・・・。」
リア「大丈夫だから・・・・もっと・・・・来て。」
レオン「ホントに・・・いいのか?」
リア「うん・・・・。レオンさんの全部・・・私が受け止めるから・・・・。」
レオン「じゃあ・・・・もう遠慮・・・・しないぞ?」
リア「・・・うん。」
レオンの腰の動きが徐々に早くなっていく。
リア「あ・・・んんっ・・・・はぁっ。」
レオンが倒れこむ。
リアがレオンの濡れた背中に腕を回し抱きしめる。
レオン「っは・・・・はぁ・・・・。」
リア「んんっ・・・・・ぁ・・・・・はぁん・・・・・っ。」
リア「レオン・・・さん・・・・。」
レオン「はっ・・・・。」
リア「名前を・・・・呼んで・・・・・。」
レオン「・・・リア・・・。」
リア「もっと・・・・。」
二人の荒い息遣いとベッドのきしむ音が響く。
レオン「リア・・・。」
リア「ああ・・・・ん・・・・・。」
レオン「・・・・リア・・・。」
リア「はぁ・・・・ん・・・・ぁ・・・・。」
レオン「好きだ。」
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